認知症介護に役立つ心理学をご紹介!心理段階を理解して介護鬱を防ごう

「親が認知症の診断を受け、介護が大変」
「イライラすることが増えた」

このように、認知症の介護で困ってはいませんか?
家族を大切だと思う気持ちとは裏腹に、介護疲れでイライラしてしまうことは誰にでも起こりうることです。

また、認知症の家族を介護していると、さまざまなトラブルに見舞われることもあるでしょう。

そこで今回は、認知症を介護する方に知っては欲しい「介護に役立つ心理学」についてご紹介したいと思います。

介護者の心理段階を構造的に理解することで、自身の精神状態を安定させることにもつながるので、ぜひ参考にしてくださいね。

認知症の家族を介護する場合の心理段階

家族が認知症になると、介護者の心理状態にも影響が出ることがあります。中には、頑張りすぎてうつ病予備軍になることも。

認知症患者を介護する場合、介護者心理は、下記の段階を踏むケースが多いので、自分の心理状態はどのステージにあるのか、まずは客観的に理解をしてみましょう。

  1. 困惑・否定
  2. 混乱・拒否
  3. あきらめ
  4. 受容

 状況に応じた対応策を取ることが大切です。

認知症介護者の心理段階①困惑・否定

認知症患者の介護を行う方が最初にぶつかるのは、「困惑と否定」です。

なんとなく本人の変化に気づき始めるものの、認知症の発症を受け止められず、病院で審査結果を聞いたり、他人からのアドバイスを受けたりしても、認知症だという事実を認めることができません。その際、困惑したり、否定したりと精神的にストレスを感じることがあるでしょう。

しかし、認知症は徐々に進行していくため、悪化するにつれて、認知症だと認めざるをえなくなります。

認知症を受け入れると、次の段階に進みます。

認知症介護の心理段階②混乱・拒否

介護者が次にぶつかる壁は、混乱と拒否です。認知症の症状が出始めると、慣れない中で介護を行わなければならなくなります。

認知症患者は、予想もしない行動を取ってしまうことがあるため、混乱や怒りを覚えてしまうのです。「なぜ私がこんな目に!」と絶望を感じ、当たってしまうケースもあります。

この段階では、辛い気持ちを少しでも楽にすることが大切です。同じ悩みを持つ認知症の家族会や、豊富な経験をもつ介護スタッフの方に相談をしてみましょう。

認知症介護の心理段階③あきらめ

次に、心理状況としては「あきらめ」の感情段階に突入します。認知症の症状は進行していくため、受け入れるしかないと思うようになるのです。

しかし、これは必ずしも悪いことではありません。介護にも慣れ、認知症患者との向き合い方がわかってきたとも言えるからです。

しかし、受け入れ始めたとはいえ、心の葛藤は無くなったわけではありません。

現状を嘆くのではなく、これから認知症患者と上手に向き合うにはどうすればよいかを考えましょう。

認知症介護の心理段階④受容

最後の段階として、受容があります。すべてを受け入れられるようになり、認知症をポジティブに捉えられるようになります。

認知症で失ったものを考えるのではなく、認知症によって新しく得たものに意識が向けられている状態です。1つ目や2つ目の段階にいる人は、自分がすべてを受け入れている姿をイメージしづらいでしょう。

確かに、介護するすべての人が受容の心理段階に進むわけではありません。しかし、この心理段階を知っておくと「いつかは受け入れられるかもしれない」と希望を見い出すことができるでしょう。

心理段階は認知症本人にもある

心理段階は認知症介護する家族だけではなく、認知症を発症した本人にも訪れます。認知症の診断結果を受けた際、発症を受け止めきれない患者が多いのです。

また、認知症が悪化してできないことが増えると、混乱するようになります。「なぜ私だけが病気なのか」と家族に当たってしまう場合もあるでしょう。

そのため、介護する家族は認知症の人が、どの心理段階にあるかを理解する必要があります。

心理段階に合わせた対応が大切

認知症介護をする家族は、心理段階に合わせた対応をすることが重要です。

例えば、2つ目の段階である混乱や怒りを抱えている時に、認知症に対してポジティブな感情は持てません。

また、2つ目の段階でアドバイスを求めず自分で頑張ろうとしてしまうと、抜け出せなくなってしまいます。自分の心理段階を客観的に判断し、適切な対応を取りましょう。

心を軽くする介護のポイント

ここからは、認知症の介護を行う方が心を軽くするための介護のポイントを紹介したいと思います。

ポイントの1つ目は、悩みを抱え込まず、他人に相談することです。

他人に知られたくないと抱え込んでしまうと、うつ病の原因になります。介護を一人でこなそうと頑張り過ぎるのは危険です。

家族は大切ですが、自分の休みを十分に取る必要があります。

次に、他人と比較するのも注意すべきポイントです。比較してしまうと、ネガティブな感情やストレスを抱えてしまいます。

認知症を受容できる時期は来ますので、不満や弱音を吐いて適度にストレス発散をしましょう。

また、五感を活かしたコミュニケーションやゆっくりとした心がけなど、認知症の人に配慮した行動も大切です。認知症の人が安心できてトラブルも減ると、結果的に介護する人の気持ちが楽になります。

心理段階に合わせた介護で気持ちを軽くしよう

認知症介護をする家族は、先の見えない不安からストレスを抱えてしまいがちです。しかし、心理段階を理解して自分を客観視できると、適切な対応を取れるようになります。

まずは、自分が4つの段階のどれに当てはまるか確認するのが重要です。

  1. 困惑・否定
  2. 混乱・拒否
  3. あきらめ
  4. 受容

認知症介護にはいつか必ず終わりが来ますが、長い目で向き合う必要があります。ストレス発散など適度に心を軽くして、認知症介護を継続していきましょう。

監修者

松本 園美

保有資格:看護師・メンタル心理カウンセラー

経歴:看護師資格取得後、介護や身体障害者のケアに興味を持ち、老人ホームに勤務する。
勤務中に東日本大震災で被災者となるが、被災地で施設を津波で流されてしまい  受け入れ先が無い高齢者やその家族の相談業務を経てから、カウンセラーの資格を取得する。
現在は、保育園看護師として勤務している。主に健康相談や子供の健康管理の対応をしている。
又、女性の転職や恋愛の悩みについて、SNSで相談と助言を行っている。

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