

NPO法人ちぇぶら代表理事
永田京子さん
更年期は閉経の前後5年ずつを合わせた10年間を指します。
この時期は、体の中の女性ホルモンが急激に減少することが原因で、私たちの心や体に様々な症状が起こります。この女性ホルモンの役割や閉経前後から気をつけておきたいことについて、更年期ケアの専門家である永田京子さんに伺いました。
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女性ホルモンの役割は?

女性ホルモン(エストロゲン)といえば、”女性らしい丸みのある体をつくったり、妊娠や出産のために必要なホルモン” というイメージをお持ちの方が多いと思います。しかしそれだけではなく、次のようなはたらきがあります。
✔︎ 肌のはりや潤いを保つ
✔︎ 目、鼻、喉などの粘膜の潤いを保つ
✔︎ 育毛
✔︎ 骨量の保持
✔︎ 記憶や認知などの脳の機能を保つ
✔︎ 血管を丈夫にして動脈硬化を防ぐ
✔︎ 感情、気持ちの明るさを保つ
✔︎ 自律神経の安定
✔︎ 抗酸化作用(血管や内臓を含めた体全体の若さを保つ)など。
このように、心と体を守るはたらきのある女性ホルモンですが、更年期以降は分泌が急激に減少します。そこで、更年期以降も健やかに過ごすために、生活の中で気をつけておきたいことを見ていきましょう!
閉経前後に気をつけたいこと!
1.筋力をキープしておくこと

更年期以降、なにもしないでおくと急激に低下していく筋力。なかなか運動する時間が取れない方も、例えば今日から、エレベーターよりも階段を選んだり、歩いていける距離ならば車やタクシーを使わずに自分の足で歩いたりなど、日々の生活の中に積極的に運動を取り入れ、筋力をキープしましょう。
2.バランス良い食事を心がけること
「これさえ食べればOK!」というような、魔法のような食材はありません。特に更年期以降は体調を崩さないためにも、偏りなく、必要な量を、バランスよく食べることが大切です。バランスのいい食事を簡単にイメージするなら和食の定食。外食をするときもできるだけ多くの食材が使われているメニューを選ぶなど、工夫をしていきましょう。
3.睡眠の質を上げる工夫をしよう!

更年期には女性ホルモンが劇的に変動するため自律神経が乱れ、睡眠障害が起こることがあります。眠れない時にはそのままガマンするのではなく、ストレッチやリラックスできる呼吸など、自分でできる対策ケアを試してみてください。
体調変化にただ翻弄されるばかりではなく、攻めの姿勢でケアする努力を。この時に身につけた自分を整える方法は、この先も一生使えるスキルになるはずです。
更年期は心身の土台作りのチャンスのとき
女性ホルモンが低下する更年期からは、これまで以上に心と体と向きあう必要があります。
しかし、実は閉経はネガティブなことだけではありません。こちらの記事「閉経にはメリットがあった!更年期の女性ホルモンと健康」では、閉経のメリットをまとめていますので、あわせてお読みくださいね。
更年期はピンチではありません。この先も続いていく人生を楽しんでいけるような、心身の土台作りのチャンスにしていきましょう!

NPO法人ちぇぶら代表理事
永田京子さん
NPO法人ちぇぶら代表理事 更年期トータルケアインストラクター
1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。
企業や自治体、医療機関などで、延べ3万人以上にプログラムを届けている。
著書「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」、「はじめまして更年期♡(青春出版社)」。YouTubeの登録者は3.5万人以上。
◇NPO法人ちぇぶら 公式サイト
https://www.chebura.com/
◇YouTube ちぇぶらチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UClAWFz5tll4D9e-Op9FlC_w