
「ホットフラッシュや不安を感じることが増えてきたので更年期障害かもしれない。と思って診断したら実は自律神経失調症だった。」というケースも多いのではないでしょうか。そこで今回は更年期障害と自律神経失調症の違いと、それらを整えるための4つの方法をご紹介します。
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更年期障害と自律神経失調症とは
更年期障害は主に性ホルモンの低下によって起こると考えられています。
自律神経とは交感神経と副交感神経から成り立ち、脳下垂体が司令塔です。更年期障害によって性ホルモンが低下すると、脳下垂体に影響を及ぼし自律神経が乱れると考えられています。
このように、更年期障害と自律神経失調症には深い関連があるのです。症状は似ていますが、症状と原因によって対策が異なります。どちらの影響なのかを自分で判断するのは難しいため、病院で相談しましょう。
更年期障害と自律神経失調症を整える方法
更年期障害と自律神経失調症を整える方法には主に4つの方法があります。
1.生活習慣改善などの予防療法
生活習慣というと十分な睡眠、栄養バランスが整った食事、適度な運動がありますが、特に睡眠と食事を意識しましょう。
睡眠対策は毎日同じ時間に寝る、朝食を食べる、夜は暖色系の蛍光灯を使う、朝に光浴する、枕の高さを適正に合わせる、適度な運動をする、寝る前のカフェイン・アルコール・喫煙をやめる、寝る2〜3時間前に入浴するといった方法があります。
栄養バランスが整った食事とは、主食、主菜、副菜、副菜、汁物といった一汁三菜で5大栄養素を摂ることです。その上で、特に骨粗鬆症や生活習慣病になりやすくなってくるので、カルシウムやビタミンD、適度な糖質・脂質の摂取がおすすめです。
2.ホルモン剤などの薬物療法
医師の判断によって、薬物療法を行います。経口薬やパッチ薬などさまざまな種類があります。
3.漢方療法
漢方は市販でも販売されていますが、漢方を取り扱っている医師に相談することをおすすめします。不調を改善する役目もあるため、どんな症状に困っているのか親身に話せる医師をみつけると良いでしょう。
4.ストレスコントロール
更年期障害の症状により身体が思うように動かないことに対して、ストレスを感じて精神的症状を悪化させてしまう場合があるとされています。
このような心理的ストレスは、情動焦点コーピングと言われる対策が必要です。具体的には、ストレスを変えることはできないので、ストレスに対する考え方や感じ方を変えていきます。
例えば「更年期障害だから不安を感じたりイライラして仕方がない」「疲れやすいからゆっくり休もう」といった形で、自分の身体と向き合います。
また、症状の程度や頻度は個人差があります。同じ悩みを抱えている者同士で話してストレス緩和につなげるのは良いですが、人と比べて「なぜ自分ばかり…。」とならないようにしましょう。人は人、自分は自分です。自分で自分のご機嫌をとり、自分を大切にしましょう。
更年期障害と向き合い自律神経を整えて、毎日を快適に!
更年期障害と自律神経失調症は深い関係にあります。まずは日頃からできることを始めて、症状を緩和させるのがおすすめです。自分一人の力で対処できない時は、一人で悩まずに信頼できる医師に相談して適切な処置をしてもらいましょう。
【参考】
・厚生労働省|e-ヘルスネット|快眠と生活習慣|
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html
・厚生労働省|e-ヘルスネット|自律神経失調症|
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-082.html
・厚生労働省|e-ヘルスネット|更年期障害|
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-081.html
・厚生労働省|e-ヘルスネット|ストレスコーピング|
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-068.html

一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会代表理事
管理栄養士・和食ライフスタイリスト
合田 麻梨恵
世界10か国旅で和食の魅力に目覚める。大学卒業後、大手コンビニ商品開発者として毎日コンビニ食を食べ心身ボロボロに。食の重要性を再認識し独立。調味料蔵元92軒訪問や痩身教室・歯科院・主宰の和食料理塾で延1000名様超の栄養指導・調理経験で和食の研究を重ね5年経つ。和食ライフで不調を改善し美しくなる”令和の和食TM”を提唱し活動中。