スマホアプリで睡眠改善!OKIと京大がその効果を実証

睡眠改善の効果を臨床試験で実証

沖電気工業株式会社(以下、OKI)は、同社が保有する行動変容技術を用いた、ユーザー個人にあわせた睡眠改善行動を誘発するメッセージを送信する「睡眠プロンプトアプリケーション(以下、SPA)」を開発し、2020年11月から2021年3月までに京都大学がおこなった「睡眠の問題を抱えた働く世代を対象とした臨床試験」にて、その効果が実証されたと報告した。

睡眠改善を目的とするスマートフォンアプリは数多く提供されているが、その効果の有効性について科学的に検証している事例はまだ少ない。

今回の臨床試験では、軽度の不眠症も含め、自己の睡眠に問題があると自覚している人にも有意な改善効果を確認することができたという。

この研究の成果は2022年7月25日に国際学術誌JMIR(Journal of Medical Internet Research)に掲載された。

個人にあわせた行動促進メッセージをタイムリーに通知

同社の開発した行動変容技術とは、個人の行動や状況を把握した上で、最適な行動科学や健康心理学の知見にもとづくメッセージを送信する独自技術だ。ユーザーの必要な情報をタイムリーに提供することで、行動変化を促すのに効果的だという。

今回の臨床試験では、睡眠医学の専門家が用意した200種類以上のメッセージを個々の生活習慣にあわせて最適のタイミングで送信し、睡眠習慣を改善するための行動を促した。

スマートフォンを所有権している20歳以上の労働者で、睡眠障害があると自覚している116名を対象に4週間にわたり検証したところ、不眠重症度を示す評価尺度であるISI(Insomnia Severity Index)の有意な改善効果を確認することができたという。

深刻化する不眠問題。薬に頼りたくはないけれど…

変化が激しくストレスの多い昨今、不眠に悩む人は多く、特に労働者の不眠は、人的・経済的損失に直結することから社会問題となっている。

不眠症治療について厚生労働省と日本睡眠学会が提唱するガイドラインでは、薬に頼らず、認知行動療法(以下CBT-I)の有効性が示されているが、専門家不足により提供機会は限られているのが現実だ。

幸いなことに、インターネットやスマートフォンアプリを使用したCBT-Iの開発は進められており、臨床医による治療と同じくらいに有効性が高いと分かってきている。しかし、提供されるプログラムは標準化されたものなので、一人一人の課題にあわせた治療となると、結局、別のサポートが必要になってしまう。さらに、軽度の場合や予防的措置に関しては、その有効性についての検討はまだ不十分な状況だ。

同社は、今回開発したSPAを軽度の睡眠障害の早期発見と介入に役立てたいと臨床試験に臨んだ。

幅広い分野の社会問題を人々の行動改善で解決へ

行動変容技術は、睡眠改善に限らず、企業の健康経営の支援や脱炭素にむけた生活行動習慣の改善など、幅広い分野における社会問題を解決することに貢献できる技術だ。

今回の実証結果を活用し、同社は今後、同技術を生活習慣病予防のソリューションへ展開することを目指している。

(画像はプレスリリースより)

沖電気工業株式会社 プレスリリース
https://www.oki.com/jp/press/2022/07/z22026.html

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