更年期は素敵なチェンジ・オブ・ライフの時!

「更年期をただ不安に思うことから卒業しませんか」そんな ふわっと。からのメッセージをこめて、更年期ケアの専門家として活動している「NPO法人ちぇぶら」の代表・永田京子さんに ふわっと。の編集者がお話をうかがいましたよ。

教えてくれたウェルネスプロ

NPO法人ちぇぶら代表理事

永田京子さん

教えてくれたウェルネスプロ

ふわっと。編集者

太田尚代

“Change of Life”=「ちぇぶら」人生の転機として前向きに捉える海外の女性たち

太田:まず珍しい「ちぇぶら」さんという団体名の由来からお聞かせいただけますか。

永田:更年期って一般的にネガティブなイメージを持たれることが多いんですけれども、英語では「Change of Life(チェンジ・オブ・ライフ)」って言うんです。人生の転機として前向きに捉えられていて、日本でも心と体に向き合うチャンスにしてほしいっていう願いを込めて「チェンジオブライフ」から「ちぇぶら」と名付けて活動を始めました。

太田:「Change of Life(チェンジ・オブ・ライフ)」、いい響きですよね。
(冒頭写真のハンドサインはChangeの「C」を永田さんと一緒に)

永田:2018年にカナダで開催された国際閉経学会(本部はイギリス)に参加して、自分たちの研究を発表してきました。その学会が「更年期は女性たちがより健やかに生きていくための【進化の期間】なんです」ってメッセージからスタートしたんですが、なんて前向きなの!ととても驚いてすごく影響を受けましたね。

太田:更年期は【進化の期間】!思ったこともなかったです。海外、特に欧米では前向きに捉えるケースが多いんでしょうか。

永田:「更年期を知ろう」とか、女性たちが主体的に健康を手に入れようとする動きは強くあるように思います。

とかくネガティブな日本の風潮。でも、悪いことばかりではないと心得て!

太田:日本だと更年期は「もう女は終わり」というムードがあったり、本人は辛い症状なのに「気持ちの問題じゃないの?」って片付けられて理解が得られなかったりして。

永田:すごく否定的ですよね。でも更年期や閉経って悪いことばかりではないんです。
閉経以降はPMS(月経前症候群)など生理の悩みから一生解放されます。カナダでは「白いドレスが着られるようになるじゃない!」って。月経血漏れの心配なくオシャレも楽しめるんですよね。
出張や旅、温泉やプールも自由。それから子宮筋腫が小さくなることも知られています。日本でも「逃げ切る」って言われるんですけど。

太田:実は私も40代の時にすごく大きな子宮筋腫があったんです。でも閉経してみるともう信じられないぐらい消えてしまって。

永田:そうなんです。他にも子宮内膜症のリスクが減るということもあるので、一概にネガティブなことだけではないんですよ。

更年期障害ってなぜ起こるの?どんな症状が出てくるの?

太田:今、更年期真っ只中の方はもちろん、これから更年期を迎える方にも「なぜ更年期って起こるの?」を簡単に教えていただけますか。

永田:卵巣機能の低下と共に女性ホルモンの分泌が減少して、自律神経が乱れます。女性ホルモンの急激な低下の影響と自律神経の乱れとのダブルパンチで、心や体に様々な不調が起こる。これが更年期なんですよね。

永田:自律神経には興奮した時や日中に優位になる交感神経と、リラックスした時や夜眠る時に優位になる副交感神経がありますが、そのバランスがとれなくなる状態が「自律神経の乱れ」です。
体温調節がうまくできなくなるホットフラッシュはその代表例。暑くもないのに上半身に驚くぐらい汗をかいたり、なのに手足は驚くほど冷えていたり。夜眠れず、逆に日中眠くて仕方ないという症状も起こりやすい。その症状も200から300種類と言われていて個人差も大きいです。

太田:変化は体だけでなく、心も?

永田:ええ、女性ホルモンのエストロゲンには気持ちの明るさを保ってくれる役割もあるので、それが減少するとふさぎ込む、不安やイライラ、うつうつするなどの変調が現れます。
心も体も自分の思う通りにコントロールしにくくなるので悩まれる方が多いですね。

もしかして更年期障害?病気が隠れていることもあるので一人で悩まず相談を

太田:「これが更年期の症状なのか、そうじゃないのか」ってことも分かりにくそうすね。

永田:例えば、「疲れやすい」「体がだるい」「太りやすくなった」それが更年期症状だと思っていたら、実は甲状腺が原因だったとか。
動悸や体温調整の異常も甲状腺の病気の症状にありがちで、更年期と似ていています。実は病気だったなんていうこともあるので気を付けてほしいですね。

太田:自己判断では難しいですね。

永田:見分けるのは難しいと思います。
その点、婦人科でも内科でも血液検査をすればすぐに分かるので、気になる不調が続く場合は診てもらうのが安心ですね。

太田:ちぇぶらさんのホームページに自分で症状をチェックできるシート表がありますよね。

永田:「簡略更年期指数」のチェックシートですね。

太田:あれは便利だなと思いました。自分にどんな不調が起こっていて、症状の強さはどうなのか、それが点数化されて、お医者さんに診てもらったほうがいいかのどうか自分で判断できますよね。

永田:更年期によくある症状が書いてあり、自分の症状の体感値(どれぐらい感じているのか)をチェックして客観的に見られます。合計得点50点以上が婦人科受診の目安。ぜひ活用してください。

※「簡略更年期指数」のチェックシート
NPO法人ちぇぶらさんのホームページからダウンロードできます。
chebura.com/self-check/

ホルモンの変動に慣れない男性にとっての更年期障害

太田:男性にも更年期があるって聞きますが、女性との違いはありますか。

永田:男性の場合は女性より遅れること10年、55歳から65歳あたりに最も症状が出やすいと言われています。
不調が起こるメカニズムは女性と一緒で、男性ホルモン・テストステロンが減ってくると脳の視床下部がパニックを起こし、自律神経の乱れを招きます。
ただ男性の場合は閉経という分かりやすい指標が無く、ストレスや生活習慣の乱れによってホルモンがガクンと低下することが分かっています。

太田:環境の影響が大きいんですね。

永田:そうですね。健康診断でも男性ホルモンの低下は分からないので、発見や自覚が遅れがちです。
メタボリックシンドロームになりやすい、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが上昇、うつを発症しやすいなどの特徴があるため注意が必要です。

これを読んでいらっしゃる方が女性であれば、パートナーやご家族、職場など身近な方で、「最近笑顔が減ってきた」「イライラすることが増えた」などの変化に気づいたら泌尿器科で診てもらうことを勧めてください。泌尿器科ではテストステロンを測る検査ができます。

太田:女性の場合は婦人科、男性の場合は泌尿器科ですね。

永田:はい。AMSスコアという男性更年期障害のチェックシートもあります(前述のURLにてダウンロード可能)。
女性はホルモン変動を経験しているので変化に慣れていますが、男性は経験がないので減った時のダメージが大きいんです。男性更年期障害ってまだ広く認知されていないですから、気づいたら声をかけてあげることがすごく大事です。

「黄金期」に向けて誰でも通る通過点。ゆらぎを受け入れ、リラックスを心掛けて

太田:更年期の症状はずっと続くものなのか、気になります。

永田:更年期には必ず終わりがあります。
女性ホルモンが減って脳の視床下部がパニックを起こし、自律神経が乱れて不調になるわけですが、脳の視床下部が「そういう時期なのね」って理解すれば不調からふっと解放されるんですよ。

この活動を始めた時に街頭インタビューをして1,014人の女性の声を集めましたが、更年期が過ぎた方は皆さん声を揃えて「人生パラダイス!」っておっしゃっていたんです。
閉経後は女性ホルモンがほぼ無くなって変動しないので体と心の調子が安定し、なおかつ、活力や元気を与え、行動的になる男性ホルモンが少し優位になるんです。更年期以降の10年間、55歳から65歳の時期は「黄金期」と言われています。

太田:わぁ、まさに私がそうです、58歳ですから。

永田:黄金期を楽しむためにも、ただ不調に翻弄されるよりは、「人生を楽しむ土台を作っていくんだ!」という気概でいると過ごし方が変わってくるかもしれません。
「どうすれば心地よく過ごせるのか」「不調時にどういうケアをすれば整うのか」といった自分に合うケアを見つけておくといいですよ。

太田:「黄金期を迎える準備中」のつもりでいたらいいんですね。セルフケアの方法を知っておくって安心感もありますしね。

永田:また、運動には自律神経を整える効果があり、症状が緩和されるんですよ。「ちょっとしんどいな」っていう時に、「エイヤー!」とね、体を動かしてみる。どうしても億劫で動く気力もない時は、すぐできる深呼吸が効果的です。深呼吸の動きは体の内側からマッサージする作用があるんです。血流がよくなり体がポカポカ、不調の緩和にお勧めですよ(※この後、ご紹介します)。

太田:「更年期は進化」「黄金期の土台作り」と聞くと、勇気にも希望にもなるし、更年期のことも理解しやすいなと。知ること、情報って大事だなと改めて感じました。


フィットネスインストラクターとしても10数年の経験を持つ永田さんに、更年期の不調に対処するセルフケアとして、プチ・エクササイズを教えていただきました。

1. 質の高いリラックスに、自律神経を整える呼吸法

両手をお腹に当てて、腹式呼吸をおこないます。これに合わせて、鼻から息を吸ってお腹を膨らませ、この時に斜め上を向きます。

次に口から息を長く細くす~っと吐きながら、あごを引くようにします。この時、お腹をへこませるように。その呼吸を繰り返します。

二重あごになるくらい、しっかりあごを引いて息を吐きます

リラックスする副交感神経が首のつけ根部分に集約されています。そこを呼吸と連動させて動かすことで、短時間でもかなり質の高いリラックス効果を得ることができます。
座ってでも、動く気力がない時でも、お布団の上でごろんと横になりながらでも出来ますよ。

2. 肩こりさんにカンタン肩甲骨ストレッチ

よく尋ねられる肩こり解消のワザです。ポイントは肩甲骨。肩甲骨周りの筋肉を一緒に動かしていきます。
まず両方の手を肩の上に乗せて、肘(ヒジ)で大きな円を描くように前に回します。

前を通る時は、出来れば肘と肘がくっつくくらい、肩甲骨をぎゅーっと開きます。後ろを通る時は、肘(ヒジ)が遠くを通るように。しっかり10回程度回します。

太田「肘(ヒジ)をくっつけるには、普段動かしていない肩甲骨をかなり開かなきゃ」

ほぐれてきたら最後の仕上げです。両手を前に伸ばしてクロスし、手のひら同士を合わせます。

肩が痛い方は無理しないでくださいね

できる方は両手を頭上へ回して、さらにできる方は頭をくぐらせて後頭部で二の腕をくーっと押します。このまま10秒キープ。

3分ぐらいでできる体操ですけど、ぽかぽかして血流が良くなりますよ

この形はプチ加圧状態を作っているので、頭上の手を解く時に血液がいつもより勢いよく流れてくれます。肩周りに溜まっているコリの原因を根こそぎ流し出してあげましょう。

3. かかと上げで、尿漏れ予防

尿漏れ予防で骨盤底筋群を鍛えようとする時に、膣を締めたり緩めたりという方法があるのですが、「部分的な細かい動作がちょっと難しいわ」という方でもやりやすいオススメの方法です。

かかと同士をくっつけて立ち、かかとの角度を90度くらいになるように、つま先を外側に開きます。

かかとをつけたまま、床から10cmくらい上げます。10セットぐらい行いましょう。地味な動きですけど、最初は結構きついと思います。もしふらふらするようなら、どこかにつかまってください。

太田「コレ、見た目よりスゴク負荷があって、太もも外側と内側がプルプルします」※その後、2週間ほど続けたらかなりラクにできるようになりました!

骨盤底筋群とともに、お尻の筋肉(大臀筋)、ももの内側の筋肉(内転筋)、股関節周りにつながっている筋肉を一度に全部鍛えることができます。
体の歪みを整えて、大臀筋をしっかり鍛えるのでお尻も立体的に美しく見せることができます。
それから内転筋を使うので股を締める力がついて、O脚の予防にもなります。
信号やエレベーターを待っている時、歯磨きの時など、どこでもできるプチ・エクササイズです。

教えてくれたウェルネスプロ

NPO法人ちぇぶら代表理事
永田京子さん

NPO法人ちぇぶら代表理事 更年期トータルケアインストラクター
1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。
企業や自治体、医療機関などで、延べ3万人以上にプログラムを届けている。
著書「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」、「はじめまして更年期♡(青春出版社)」。YouTubeの登録者は3.5万人以上。

◇NPO法人ちぇぶら 公式サイト
https://www.chebura.com/

◇YouTube ちぇぶらチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UClAWFz5tll4D9e-Op9FlC_w

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