女性は靴の悩みから解放されるべき、でしょ。

靴が痛い、合わない、と、女性たちはもうずっと悩んでいますし、どこかで諦めているところもありますよね。でも、毎日履くものだから諦めたくないなと思うんです。そんな靴の悩みから解放されるべく、ふわっと。の編集者がオーダーメイドシューズ専門店の代表にお話をうかがいましたよ。

東京日本橋の人形町から靴の新常識を発信する「アンド・ステディ」さんにうかがいました。創業61年の浅草の靴メーカーによる直営サロンです。

教えてくれたウェルネスプロ

くつ・あし・あるく研究所
アンド・ステディ代表

小野崎記子さん

教えてくれたウェルネスプロ

ふわっと。編集者

太田尚代

試着しても足が痛い、パンプスが脱げてしまう。それは間違った常識のせいかも!

太田:お店で靴を試着して「これで間違いない!」と思って買ってくるのに結局足が痛くなっちゃうことがあります。「試着しているのに、なんで?」って。私を含め、多くの女性が困っていると思うんです。

小野崎:まず靴と足について、間違った思い込みがあります。「間違った常識」ですね。

例えば「ゆったりした靴が足にいい」「日本人の足は甲高で幅広だ」とか、皆さん思っていますよね。

「日本人の足が甲高・幅広」って、下駄や草履で足指全部が伸び伸びしていた戦前まではそうだったんでしょうね。でも一般の人達も靴を履くようになって、生活も食事も欧米化した現代、いわゆる日本人の足は、全然もう根本的に変わってしまった。

太田:確かに。それからもう一つ、パンプスがパカパカして自分の足についてこなくなっちゃうこと。これはなぜ起こるんでしょう。

小野崎:パンプスは、足と靴が接触する面積がすごく小さく、足を留める場所が踵(かかと)とワイズ(親指の付け根から小指の付け根の周囲=足囲)しかありません。

でも皆さん、ワイズをゆったりめに履く。すると足が留まらず靴の中で前に行き、踵が上がりパカパカする。靴の選び方の問題でもあるんですね。

小野崎記子さんは、父方・母方ともに戦後から靴関係の会社を経営し、いわば靴業界のサラブレット

太田:靴の選び方と、ゆったりめな履き方と、両方によって起こっているわけですね。

小野崎:日本は「靴は輸入されたけど、靴文化は輸入されなかった」と言われています。海外では、足を計測する、靴を試し履きする、靴の紐を締めるなど、子どもの頃に当たり前に教育されることなのです。

太田:靴文化を知る機会が無いまま、大人になってしまったんですね、私たち。

自分の足のサイズ、本当に正しいですか?実は間違った思い込みが多いんです

太田:実は私がまさに思い込みをしていて。「自分は幅広でワイズは2E」だと思ってこちらで計測していただいたら、なんと一番細いAより細いAAだって分かって、衝撃を受けました。

小野崎:普段23.5cmの靴を履く方が実際に足を計ったら22.5cmとか、80%以上の女性たちが大きい靴を履いていますよ。
足を計ったことがある方って10%もいないくらい。正しい物差し無しに、買って履いてみて「ダメだ」、また「ダメだ」って博打に近い状況なんですよね。

太田:自分の足を知らないまま、そういう買い方をしているんですね。

小野崎:「自分に合う靴って、こういう感覚だ!」って体感しておくと脳は分かるんです。合う靴を1回履けば、合わない感覚もジャッジできる。そこにすごく価値があるんです。
しかしお店でサイズはあっても、ワイズは幾つも置いていない。同じ23cmで「ワイズBを、Aを、AAを試す」という履き比べがなかなかできないんです。

太田:私もここで初めてワイズの履き比べをしました。

小野崎:ブラジャーと一緒ですよ。同じ75cmでもカップAの人とEの人では、Eの方が大きいでしょう。
靴も同じで、Eが太くて、Aより細くなるとAA(ツーエー)、AAA(トリプルエー)となります。

胸には種類があるのに、全身を支える足、履く靴に選べるパターンが揃っていないっていうのは、実はすごく危ないと思いますね。

太田:靴自体の作りがいい加減なのではなくて、企画・体力が不足している、と。そのためパターンが幾つも揃えられない点が業界としての課題なんですね。
小野崎さんから見て、幅広と思っている人のほとんどが「細足さん」という印象ですか。

小野崎:10年以上やっていて、幅広さんって5%もいないというのが数字としての実績ですね。
「自分は幅広」って思っちゃうのは、立って真上から自分の足を見ているから。立位は足に全体重がかかって最大に広がった状態。それを一番太く見える位置から見ているんです。

でもパンプスで歩く時は、着地で幅広になっても、地面から浮けば細くなる。私たち(アンド・ステディ)は地面から浮いた、体重がかかっていない時を重要視するんです。

太田:えっ!?そうなんですか。視点が全然違いますね。

小野崎:だからお店で合うと思って買っても、歩き出したら脱げちゃうんです。

太田の足の実例:地面から浮いた足(写真左)と、着地した足(写真右)の比較。幅広と思い込んで着地した足を基準にパンプスを買っても、歩くと脱げてしまいます

靴が身体に及ぼす影響は多岐に。今こそ、合う靴を選んで、悩みを根本から解決

太田:実際に足と靴のお悩みってどんなものが多いですか。

小野崎:やっぱり一番は外反母趾、それから足裏の指の付け根付近にできるタコも。これがフット(足)のジャンルです。
靴のジャンルだと「どの靴を履いても踵が脱げる」というご相談、レッグ(脚)のジャンルだとむくみやO脚。姿勢や歩き方というお悩みもあります。

太田:かなり幅広い。後天的な靴からの影響って大きいんですね。
アンド・ステディさんでユニークだなって思ったのは、足を治すんじゃなくて、「靴を変える」ことでオートマティックに足が変わるという考え方、お取り組みでした。
「足を鍛えなさい」ではなく、「靴を合うものに変えようね」で、自然に身体が変化すれば嬉しいですもん。
靴づくりはもちろん、フットカウンセリングからウォーキングレッスンやストレッチ、テーピングなどのプログラムも用意されているんですよね。

小野崎:私が考える、いろんな靴文化の結集が「くつトレ®」というプログラムです。足の計測はもちろんですが、ご自分の足に合う靴を体感して正しい物差しを手に入れていただきたいんです。

それにせっかく靴をオーダーするなら、正しい歩き方ができたほうがいい。合わない靴によって変な歩き方に導かれてきた方が多いからこそ、正しい姿勢と足の運び方をセットでお伝えしています。
実際、合う靴に履き替えるだけで、正しく歩けるようになってしまう方もとても多いんです。

太田:靴の出来上がり(約1ヶ月間)を楽しみにしつつ、足の準備もできると。

小野崎:足には3つのアーチがありますが、しっかり作ることで指が下りる「横アーチ」は、特に重要なんですね。靴がある時は靴が両脇から支えるので自然にできますが、靴が届くまでは、テーピングで横アーチを作ります。

太田:テーピングはどんな足の方にもレクチャーされるんですか。

小野崎:そうですね。特に外反母趾の方はテキメンです。
足りない筋肉をテーピングで補って、体重をかけたら広がってしまう足を広がらないようにしてあげる。横アーチができると指がしっかり地面に着く。そうすると指を使ってちゃんと歩ける。

今一番の問題は浮き指です。大人だけじゃなくて、子どもにもすごく多いんです。

太田:え?なぜ子どもが?

小野崎:緩い靴を履かされていることが多いからです。
足指の機能が正しく発揮できないから踏ん張れず、指を地面に付けずに歩くため、指の付け根にタコができる。
あまり知られていませんが、赤ちゃんの足の骨は軟骨。10歳くらいまで骨化する成長過程の中で、この状況は本当に危ないです。

華奢で足の筋肉が育っていない女性も同様。
外反母趾の原因は筋肉のない弱い足なんです。弱い足で親指ばかり使ってしまうクセから、曲がってしまうんですよ。

太田:私はてっきり、細い靴に無理やり足を入れているせいかと思っていました。

「ハイヒールも細い靴も外反母趾の原因ではないんですよ」という同店にはハイヒールのサンダルやパンプスもずらりと並びます(写真のヒールは7cm)

足にいい靴はカッコ悪いは思い違い!自分で選んだお気に入り、が大前提です

パンプスだけでなく、スニーカー、ブーツ、ローファーなど、様々なタイプが用意されている店内

太田:もう1つ、私が思い込んでいたのは、足にいい靴はデザイン性が二の次かなって。

小野崎:コッペパンみたいな。

太田:そうです。でもアンド・ステディさんではデザイン性に優れている上に、革一つでも自分の好きな物を選んで組み合わせできる。革一つ一つの型とか光沢とか、個性的で見るだけで楽しいんですよね。
実際にオーダーしてみて、すごく気に入っています。

太田が以前オーダーして履いているストラップ付パンプス。マジックテープ式のストラップの位置と太さが絶妙で、ワイズを締めているけど痛くないため安定して歩けます(33,000円税別)
ヒールは5cmで、下に向かって広がった安定の「フレアヒール」。幅があるようでいて横から見た印象はスマート

小野崎:革だけで200〜300種類ありますから。
いくら体にいいと言われても、女性は気に入らない物は絶対履かなくなりますもん。

定番80カラー、トレンドレザーは100カラーほど用意されている。異なる革と色のコンビネーションもOK

太田:それからオーダーはとても高いと思いがちですけど、こちらの3万円台という価格設定は買い求めやすい、手が届く価格だなと感じます。

小野崎:問屋さんが入ると途端に倍くらいになってしまいますが、材料調達から企画・デザイン、ファクトリー、店舗販売、カウンセリングまですべて自社です。それこそお客様の困りごとが聞こえる、一気通貫で取り組んでいます。

太田:靴について「履く薬」という表現もお聞きして、とてもしっくりきました。これをきっかけに、靴の悩みから解放される女性が一人でも増えたらいいな、と改めて思います。

教えてくれたウェルネスプロ

くつ・あし・あるく研究所
アンド・ステディ代表
小野崎記子さん

家業である浅草の婦人靴メーカー代表に就任後、自身の靴ジプシー経験を踏まえ、2010年、フットカウンセリングサロンをオープン。
4,000名以上の足トラブルに悩む女性たちに向き合い、靴を使って美しく健康な体づくりを進める独自メソッド「くつトレ®」を編み出し、多店舗展開をスタート。加盟店への指導活動を中心に、雑誌や各種媒体の執筆も意欲的に行う。

◆アンド・ステディ 公式サイト
https://andsteady.com/

◆YouTubeチャンネル|靴が合わない女性のためのお悩み解決サロン
https://www.youtube.com/c/andsteadytokyo

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