あの「なわとびネタ」のルーツは生まれにあった! にゃんこスター・アンゴラ村長に聞くなわとびの楽しみ方

海外のSNSから人気に火がつき、密かな「なわとびブーム」が起こっています。日本でも、その脂肪燃焼効果の高さから、手軽に始められるダイエット方法のひとつとして注目を集めています。「実はうちにも眠っている……」という人も多いのではないでしょうか?

今回は、皆さんのお家に眠っているなわとびを起こすべく、『キングオブコント2017』で披露したネタの中で華麗なるなわとび技を見せて、一躍人気者になったにゃんこスターのアンゴラ村長さんに、なわとびとの出合い、なわとびの楽しみ方など、なわとびに関するあれこれを語っていただきました。読み終わったころにはなわとびを跳びたくなっているはず!

■プロフィール

アンゴラ村長さん

お笑い芸人。1994年埼玉県生まれ。早稲田大学文学部卒業。2015年、お笑い工房LUDOの先輩である、まついあきとお笑いコンビ「暇アフタヌーン」を結成。2016年の解散後、2017年5月、スーパー3助とお笑いコンビ「にゃんこスター」を結成。同年10月、『キングオブコント2017』で準優勝し話題に。19年、『女芸人No.1決定戦 THE W』にてパーパーのあいなぷぅとのユニット「にゃんパー」で出場し、準決勝に進出。その後も活動は継続し、YouTubeチャンネル『にゃんパーのコント勉強中』を開設。インターネットマーケティング会社「株式会社これから」の社員でもあり、兼業芸人として活躍中。

HP:にゃんこスターアンゴラ村長の公式サイト
YouTube:にゃんこスターYouTubeチャンネル
Twitter:@pupumumumu
Instagram:@nyanco_star_pu_pu_mu
TikTok:@nyancostar_angora

美しく見せるためのなわとびがあのネタを生んだ!

——まずは、なわとびとの出合いから教えてください。

アンゴラ村長(以下、アンゴラ):授業でなわとびを教わる前から、地元にあったリズムなわとび教室に小1から中3までの9年間通っていました。私の地元では、習いごととしてなわとびがすごく盛り上がっていたんですよ。教室は今年35周年で幕を閉じてしまったのですが、私が習っていたころは全盛期で、200人くらいの生徒が通っていました。

——200人はすごいですね!

アンゴラ:私はお姉ちゃんが習っていたこともあって、自然と「習いたい」と思いました。水泳やピアノを習う感覚でなわとびを習うような地域だったのですが、大人になってから「ヘンな地域だね」と言われて、珍しいことに気づきました(笑)。

——リズムなわとび教室ではどのようなレッスンをしていたのですか?

アンゴラ:リズムなわとびの趣旨は美しく見せることなので、基本のなわとびの跳び方も、手を広げて足を適当に上げて跳ぶのではなくて、軸足にそって足を上げる、つま先をきちんと伸ばすといった感じで、とにかくキレイに跳べるように細かく指導されていました。

——9年間続けるのはすごいことだと思うのですが、どうやってモチベーションをキープしていたのでしょうか?

アンゴラ:小学生のころは、「研究生」という資格を取りたくて結構がんばっていました。研究生になると、なわとびを教える側に回れるんです。小4から試験が受けられるのですが、4、5年生のときは落ちてしまい、6年生でやっと受かりました。早い子は4年生くらいから研究生として教えていて、うらやましかったです。教える側になると、私が手を叩くとみんなが一斉に跳び出すので、すごい地位を手に入れた気になるんですよ(笑)。あとは、かわいい衣装が着られるので、発表会もモチベーションが上がりました。

——中3でやめてからは、あまりなわとびをすることはなかったのでしょうか?

アンゴラ:やめてからは違うことをしようと思い、なわとびは特に跳んでなかったですね。お笑い芸人になってから、『水曜日のダウンタウン』という番組の企画で、にゃんこスターの「リズムなわとびの発表会」のネタは、なわとびが上手ければ上手いほどサビで急に踊りだすところがおもしろいんじゃないかという検証で、世界チャンピオンでプロなわとびプレーヤーの生山ヒジキさんとお会いして、またやってみようと思い再開しました。私は自分で結構なわとびが上手いと思っていたのですが、世界チャンピオンのうしろ五重跳びを見て、全然違うなと。なわとびでお金を稼ぐためにはもっと鍛えなきゃと思い、教えていただくことにしたんです。

特技を活かしたネタで2017年の「キングオブコント」準優勝!

手を叩くよりも「湯切り」のほうが楽しい!

——2017年の『キングオブコント』で披露したネタもそうだとは思うのですが、他になわとびを続けてきたことが今、活きているなと思うことはありますか?

アンゴラ:体幹が鍛えられたかなとは思います。足は結構太くなりましたけど(笑)。なわとびって子どもたちが絶対に習うスポーツなので、なわとび教室やイベントなどで子どもたちのヒーローになれるところはうれしいです。キレイに跳んだときのすごさがすぐ伝わるので、みんな喜んでくれるんですよね。

——現在は子どもたちに向けてのなわとび教室を開催されているんですよね。

アンゴラ:「教室をやるならこういう風にしたい」という思いはずっとあったんです。美尻トレーナーの岡部友さんという方が、「私はただお尻を鍛えさせているのではなくて、困難への向きあい方を学んでもらっている」というようなことをおっしゃっていたのをテレビで見て「これだ」と(笑)。私の教室でも、なわとびを教えて、できない子ができるようになるのはもちろんですが、「努力しなきゃ」と思うのではなく、「楽しくやっていたらできちゃった」という感じで、乗り越えて欲しいなと思っていて。楽しいと続けられるし、できたときの達成感も大きいですよね。楽しさや達成感を意識して教室では教えています。

あとは、芸人としてなわとびを教えるからにはおもしろくしたいなと。例えば、二重跳びはジャンプしながらパパンと2回、手が叩けると理論的には跳べるんです。そのリズムでなわとびを回して跳べばできるようにはなるのですが、それではつまらないので、ラーメンの湯切りに黄色い毛糸をラーメンみたいに入れて、ジャンプしている間に2回湯切りしてもらい、跳ぶタイミングを図ってもらっています。子どもたちが「いらっしゃいませ」と言いながら湯切りしている姿は親御さんも喜んでくれますし、2回手を叩くより、2回湯切りをするほうがおもしろいかなと(笑)。

こちらでも独特な練習法で二重跳びを解説

——それは子どもたちも楽しいでしょうね! 実際になわとび教室を開催してみてどんなことを感じましたか?

アンゴラ:今のところリピーター率は100%です。運動に苦手意識のある子が参加してくれて、お母さんからも「この子は運動が苦手なんですけど大丈夫ですか?」と言われていたのですが、いざやってみたら、学校で最初に習うような「前跳び」ができるようになるまでは時間がかかったんです。でも、カッコよく跳ぶ技や学校で人気者になれるような大技は意外とスッとできちゃうんです。

学校だと教える順番も決まっているし、生徒数も多いので、なかなか細かくは見られないですよね。その子はできないことが最初だったから苦手意識を持ってしまっただけで、マンツーマンで見たらまったく運動が苦手じゃなかったんです。本人も少し苦手意識が解消できたみたいで、お母さんからも「この子がこんなに汗かいてるの久しぶりに見ました。ありがとうございます」と言っていただいて。もう、うれしくて泣いちゃいました。

8月は『キングオブコント』の予選などがあったので、なわとび教室はできなかったのですが、また月1くらいのペースでやっていけたらいいなとは思っています。

——相方のスーパー3助さんもなわとび教室に参加されてますね?

アンゴラ:「がんばれー」とか言ってくれてます(笑)。なわとびで鬼ごっことかもするんですけど、そのときにああいうオジサンが1人いてくれると、みんなオジサンをこぞって追いかけるので、私にはできないことだなと。3助さんは、応援したり標的になったりしてくれています(笑)。

「なわとびは武器なんだ」と思えるようになった

——にゃんこスターのYouTubeチャンネルや、TikTok、Instagramなどでもなわとびに関する動画を配信されていますが、見ている方たちの反応はいかがですか?

アンゴラ:やっぱりなわとびをやると「上手い!」とか皆さん反応してくださいます。最近は、「なわとびのイメージが強いのもちょっとな……」と思いつつも「なわとびは私の武器なんだ」とも思えるようになったので、違うこともやりつつもなわとびも上げていきたいと思っています。

——2020年には先ほどお話にも出てきた生山ヒジキさんと、「30秒間でペアで交互になわとびを跳んだ回数」でギネス世界記録を達成されました。

アンゴラ:コロナ禍で結構鬱蒼としていた時期だったので、自分ごときがあれですけど、いいニュースが作れたらいいなと思い、挑戦してみようかなと思いました。

——動画を拝見したのですが、すごいワザだと思いました。あれは71回跳ぶのは大変だなと。

アンゴラ:挑戦している人が少ないだけという疑惑もあるんですけど(笑)、ギネス世界記録が達成できてよかったです。

ギネス認定されたなわとびの実際の映像(TikTokより)

——最近では、コロナ禍での運動不足から手軽にできるなわとびに注目が集まっています。大人がはじめる際に気をつけることはありますか?

アンゴラ:皆さん小さいときにやったことがあるので、思い出してすぐやれるのがなわとびのいいところですが、いきなりは跳ばずに、まずはアキレス腱に気をつけていただければと思います。アキレス腱を伸ばして屈伸するなど、準備運動は念入りにやってほしいです。私は寄席などでもなわとびネタをやっているので定期的に跳んでいますが、体重計に乗るよりも体重の増減がわかります。だから跳ぶのが小学校以来というような方は、ちょっとショックを受けるかもしれません。重すぎて。最初は「えっ!」とショックを受けるところから始まって、そこから取り戻していただけたらなと。続けていくと、羽が生えたかのように軽く跳べるようになりますから。

最近は、「大人のなわとび教室をやって欲しい」という声もあるので、いずれはやってみたいですね。あとは、高齢のおじいちゃんおばあちゃんたちとも、跳ぶことは難しいかもしれませんが、なわとびを使って何かできることがあるのかなと考えることもあります。そのためにはもっと筋肉の勉強をしないとなと。いずれ、公民館とかでなわとびイベントみたいなものがやれたらいいですね。

——これからやってみたいと思う方のために、なわとびを使ったおすすめのトレーニング方法を教えてください。

アンゴラ:なわとびって結構、つらそう、大変、みたいなイメージがあると思うのですが、遊ぶ感覚でやっていただけるといいかもしれません。例えば、お子さんといっしょに楽しむとか。お子さんがなわとびを持たずにただその場でジャンプしているところに親御さんが前跳びで近づいていって、縄の中に入れてあげる。成功すると楽しいですよ。あとは、大縄の中で、短いなわとびを跳ぶという技も、すごく大変そうでも意外とできるので、苦労という感じではなく「この技やってみようかな」くらいの感覚でやっていただくといいかもしれません。もちろん1人でできる技もあります。「やらなきゃ」ではなくて「子どもとやったら楽しいかな」とか、「挑戦してみたら楽しいかな」と思えるような技を練習してみると、自然と体力もついていくと思います。

もっと筋肉の勉強をして、なわとびの技ややせる跳び方などを知ってもらえるような本が出せたらいいですね。ぜひ出版のオファーお待ちしています(笑)。

——なわとび本、ぜひ読みたいです! 普段はどこでなわとびを跳んでいるんですか?

アンゴラ:私は、公園とかですね。なわとびをしている子どもの横で「ちょっとかましてやろうかな」と思いながら跳んだり、カップルがイチャイチャしている夜の公園で邪魔するために跳んだり。水を差そうと思ったのに、カップルが拍手してくれて(笑)。私はそういうときにテンションが上がるので、自分のモチベーションの上がる場所と時間帯を選んで跳んでいただけるといいかもしれません。

——夜の公園に突然現れて、本気でなわとびをしている人がいたらおもしろいですね(笑)。

アンゴラ:自分がワクワクするシチュエーションでやってみるのはいいかもしれないです。

——大人になってなわとびを再開して、体質の変化などは感じますか?

アンゴラ:体質の変化はわからないのですが、定期的に跳ぶことによって、体重管理ができるというのはあります。体重が増えると鉛を着けて跳んでいるのかと思うくらいのときがあるので、「確かに最近、深夜に食べちゃってたかも」とか、自分の食生活を顧みたり(笑)。本当に体重計に乗るより体重の増減がわかりやすいです。

普段使っているのは、生山ヒジキさんからもらったという持ち手の長い競技用なわとび。写真にあるカラフルなのは子ども向け雑誌の付録だそう

お客さんも子どもたちも笑顔にしたい

——芸人さんとしても活動でも幅を広げていらっしゃいますが、芸人さんとしての目標はありますか?

アンゴラ:『キングオブコント』で優勝したいです。自分の中で、やっぱりネタをやっている瞬間が一番好きなんです。ネタでお客さんが笑ってくれるのも好きですし、なわとび教室とかで子どもが笑ってくれる瞬間も大好きなので、この2つを大切にしていきたいですね。

——所属されている会社のほうのお仕事として、プログラミング教室もやられているんですよね。

アンゴラ:はい。それも楽しいです。今の子どもたちはすごくプログラミングに興味があって、楽しんでやってくれています。正直、私よりすごい技術を持っている子がたくさんいますけど(笑)。

——ほかに、今後したい活動はありますか?

アンゴラ:もちろんテレビもオファーがあったら出たいですが、子どもたちに向けた活動も続けていきたいです。

あとは、最近、殺陣を習おうかと思っていまして。なわとび歴は9年ですが、剣道は10年やっていて。当時は太刀筋のまっすぐさには定評があったんです。だから、殺陣を習ってもっと活動の幅が広がればいいなと思っています。

——アクション女優という顔も加わるかもしれませんね!

アンゴラ:以前、占いで「女優いけるよ」と言われたことはあるのですが……。それはまだわからないですけど、がんばります!(笑)

——今後もなわとびは続けていかれると思うのですが、また記録に挑戦することは考えていますか?

アンゴラ:記録も挑戦したいんですけど、本当はなわとびの大会に出てみたいと思っていたんです。でも、私が思っている以上に熾烈で、トップの方たちのレベルがすごいんです。大会は難しいとしても、最近は技を覚えることが減っていたので、もう少し技を覚えて、楽しく見せられるなわとびを研究できればとは思っています。

冬はなわとびシーズンなので、TikTokでもたくさん動画を上げてなわとび教室にも 多くの方に来てもらえたらいいですね。

まとめ:体重管理もできるなわとびは大人にもおすすめ

なわとびのいいところは、なわとびさえあればどこでもできること。久しぶりでも、なわとびを手にしてみたら、案外子どものころの感覚を思い出して簡単に飛べちゃうかもしれません。

ダイエットのみならず、体重管理もできる万能スポーツのなわとび、今すぐ運動したい人におすすめです!

文/石本真樹
写真/岩田えり

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